上が決めたこと

大阪市営地下鉄天王寺駅近鉄電車から谷町線への連絡通路が朝のラッシュ時だけ閉じられています。そこが工事中だから通れない、というならもちろんわかるんですが、混むと危ないというだけで、何事もない一番便利な通路をひとつ、わざわざ一番人通りの多い時間帯だけ通行禁止にしているのです。

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迂回路は通常の通路の半分ほどの幅しかないボトルネックで、毎朝大渋滞しています。しかもよりによって工事してるほうの現場のすぐ脇を歩かされているわけです!人の流れを分散すべく地上迂回路も紹介されていますが、「誰が行くかい!」という超遠回り。いずれにせよ、普段なら間に合うはずの乗換えが間に合わず、一本遅くなっています。

忙しい時間帯に限ってわざわざ使える通路を通行止めにする発想自体が私には理解しにくいのですが、もしそれが交通工学上の正しい判断なのだとしたら、それに対して異議を唱えるつもりはございません。大阪市交通局大阪府庁の職員にイジワルをしたいだけなんだとしたら(注:府庁は谷町線沿線)、それも理解します。府と市の確執はいずこも同じ、よくわかります。(一般乗客を巻きこむなよ~)それよりも何よりも私を驚かせたのは、「この件について説明をしてくれる窓口はないのですか?」という質問に対する駅員の返事:

「窓口はありません。上が決めたことですのでこれが最善です。」

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福知山線で悲惨な事故を起したJRの日勤教育も、もちろん「上が決めたこと」ですよね?厚生労働省社会保険庁の「上が決めたこと」もずいぶん有難い結果を生みましたよね?ミートホープ社長さんの素敵なアイデアの数々も「上が決めたこと」ですし、わが国の防衛省トップのご判断は、「原爆投下は止むを得なかった」ということらしいです。さらに国のトップである首相の弁明は、「ようそこまで国民をバカにするわ」と呆れるばかり。

こんな情けない答えを平然と言ってのけた大阪市営地下鉄職員、おそらく50代の男性。大阪市さんのことですから、年収800万円以上はおそらく確実、1000万円プレーヤーも十分ありえます。地方税増税されたばかりだが・・・(おっとっと、「負担増」であって「増税」ではないのでしたね、失礼しました)

ついでに面白い話をひとつご紹介しましょう。危機管理コンサルタントの方から聞いたどこかの大学での話です。(ウチじゃありませんよ!)学生さんが留学先で事故にまきこまれて亡くなり、現地の警察から大学に連絡が入りました。そのとき、「事件性もあるので他言は無用で」と言われたそうです。事務職員さんが学生さんの親に連絡しようとしたところ、学部長の許可が下りなかったそうです。「警察が他言無用と言っているのだから、家族にも知らせてはならないだろう」という理論。

数時間経ち、やはり疑問に思った職員さんが危機管理コンサルタントに相談すると、「ただちに親御さんに連絡しなさい!!!」との強い進言が大学当局に対して入りました。しかし時すでに遅しで、ご遺族へは外務省から先に連絡が入っており、非常識な対応をした大学は、その後、学長・副学長まで乗り出してダメージコントロールに追われるハメに陥ったそうです。

大学の学部長というのは、ほとんどの場合、教授会から持ち回りで選出されるのです。いくら学術業績が高くても立派な人柄でも、マネージメントや危機管理の実務家ではありません。そんな重大な責任まで負わされてはなはだ迷惑しているのは当の学部長さん達のほうでしょうが、「上の人」の判断だからといって、絶対に口答えできないシステムというのもどうなんでしょうね・・・

どうでもいいけど、天王寺駅、早くなんとかしてくれ~