日本の大学の問題点

仰々しいタイトルつけてみましたけど、実はボーカル・コンテストの話の続きです。こんなものに応募してしまった後に就職が決まり、実はあちゃ~と思っていました。朝6時~夜10時まで通勤・仕事・家事・育児。いつ練習すんねん?フルタイムでお仕事しながら音楽活動されてる方々って、どうやってされているのですか?

試しに早朝に鴨川っぺり・・・やってみたら途端に喉やられてしまった。声に関しては寒空はダメですね。気管支炎に発展し、先週からずっと抗生物質と吸入器のお世話になるハメになってしまいました。「趣味の両立は難しい」でも書きましたが、さらに、喋ることの多い仕事も絡んでくると、もう毎朝毎晩、声枯れの恐怖との戦い。

サイレンサーをつけられない「声」の場合、練習する場所の確保も大問題です。前職のときには、空き時間に音楽学部の「練習室」に駆け込むことが可能でした。アメリカの総合大学にはたいてい音楽学部があるからです。

そういえば、ありませんよね~、国立帝大系にも東京六大学にも関西六大学にも、音楽学部って。天下の「日本大学」くらいですか?芸術学部がある総合大学って。よくよく探すと、文学部の片隅に「音楽学」だの「美学」だのと銘打った教室があったり、社会学部に「ポピュラー音楽学会」の事務局があったりするんですが、まず実技はない。

なぜ日本では芸術だけ隔離しなければならなかったのか・・・ご存知の方、教えてください。これだけの大学合併ブームにも関わらず、なぜ日本の芸術家は孤高を守るのか・・・?

ちなみにアメリカでは音楽も美術も決して「富裕家庭の子」や「天才児」がする学問ではありません。コミュニティカレッジ(安い公立大教養学部レベル)→州立大音楽学部へ編入→大学院音楽専攻へ進学→→職業音楽家(有名度はピンからキリ)、というパターンもよくあることですし、メディカルスクール(大学院レベルの医学部)の入学者の出身学部専攻の一位がPre-Med(医学予備専攻)でも生理学でも化学でもなく、音楽だったこともあるんです!

音楽理論ってかなり数学なので、その現象は理解できなくもないです。アマチュアセミプロでジャズやクラシックをやってる人に、学部は音楽で大学院は工学出身というエンジニアが少なくないのも、知る人ぞ知る意外な事実。一握りの「勝ち残り者」とその他99.9%の「人生の敗北者」を育てるのではなく、機会均等を提供し、ある程度真面目に勉強した全ての人に「教養という宝物」が得られる。

この教育システムがアメリカらしいのからしくないのかは微妙ですが、私は感謝しています。もちろん、その後音楽で喰っていける保証がないという点は、日本もアメリカも共通ですが。

そしてほとんどの音楽学部の中にクラシック専攻・ジャズ専攻・ポピュラー専攻の3本立てがあり、いちおう建前としては対等に生存しているあたりも、特筆に価すべきかと思います。一握りの「国際的研究者」とその他大勢の「30代・40代ニートを輩出しているらしい某大学も、少し考え直さなければならない問題かもしれません。

お~とっと、つい話が大きくなってしまいましたが、要は、「フルタイムで働きながらいつどうやって練習したらいいか教えてください!」という主旨のお願い記事でした。今日はコンテスト2日め、まだまだ上手な方が沢山出るはずなので、聴衆として楽しみに行ってきます!