手書きにこだわる・・・?

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年賀状の作法の話題に続き、手書き一般についてご意見をうかがいたいと思います。

c1491jpさんの記事で、就職活動に成功するための履歴書のコツを教えていただきました。
日本の民間企業では今でも「既成の書式+手書き」が多いのですね。目からウロコでした!

アメリカでは手書きの履歴書は一度も見たことがありませんでした。
仕事はタイプ(今ならワープロ、サインのみ自筆)で私信は手書き、が一般的だからです。

(ついでに言うと、履歴書には応募する職務に関連して自分がアピールしたい経歴だけを書きます。
年齢も性別も写真も家族関係も出身高校も不要で、募集時に申告を要求すると法律違反になります)。

手書きでも本人の自筆とは限らないのだし、文字や書き方からその人を判断したいなら、
「書き方」の試験でも実施したほうが間違いないかもしれません。

日本でも大学関係の応募では、ワープロで作った独自の履歴書(CV=curriculum vita)を使います。
もっとも、「社会人の常識テスト」をしたら落ちる方が続出するであろう業界ではありますが(笑)



アメリカでも、季節の挨拶状などの私信をワープロで書いてよこす人が増えてきました。
みんなに同じ事を繰り返して書くくらいなら・・・という合理精神はわかります。

もともとアメリカには「Hallmarkカード」という摩訶不思議な商品もあります。
様々な異なる状況を想定して印刷された、何千(何万?)種類もの既製品のメッセージカードです。

かつての恩師に、Eメールの使用を完全拒否、という困った方がいまして、
(今時の大学業界、事務連絡はメールでするのが慣習です。周囲の迷惑も考えてほしい・・・)

その方の手紙は全部手書きなのですが、これが卒業生の誰に宛てても通用すると思われる文章なのです。
私はそれを見たとき、言い知れぬ寂しい気持ちに襲われました。

全く同じ文章を手書きで写して皆に送るのと、ワープロでも一人ひとりに向けてメッセージを書くのと、
どちらが気持ちが伝わるでしょうか???



すっかりワープロが普及した日本でも、学長とか社長等の「エライ人」は手書きの方が多いですね。
もちろん件のアメリカ人教授とは違い、一人ひとりに宛ててご自分で考えた文章を書かれています。

どんなに多忙でもそういう付き合いがキチンとできる方だから、今の地位に上られたのでしょうね。
私のようなズボラにはとても真似できません。

私も昔は習字が得意で県の選抜展にも出品しましたし、仕事柄、図面用レタリングも習得したので、
字は決して苦手ではなかったのですが、近頃はワープロ慣れで手の筋肉も変わっております。

お恥ずかしい話ですが、家に便箋やまともなペンを切らしていることも多いほどです。
ワープロでお許しいただけるなら、もっと気楽に手紙が書け、皆さんに失礼せずに済むのですが・・・



私の時代(約20年前)には、「卒業論文は手書きのみ受け付ける」という先生が多かったです。
今では、私のバイト先では「卒業論文は必ずワープロ仕上げのこと」となっています。

ただ私は、小課題レポートの類では「手書きで出すこと」と指示することが多いです。
コピー&ペーストを防ぐためです。たとえ丸写しでも、手で書けば少しは頭に入るでしょう。

今年のクラスは妙に字の上手い学生さんが多くて驚いたのですが、中に一人だけ、
読むのにかなり苦労するほど、字の乱れている学生がいました。

注意しようかと思いましたが、「いや、ちょっと待てよ」と思いとどまりました。

外見上はわからない病気や障害で字が上手く書けない人もいるからです。
案の定、一学期間お付き合いしてみたら、とても頭脳明晰でやる気のある、優秀な学生でした。

彼はきっと、文字を書かなくてよい仕事なら、何をやってもちゃんとできるだろうと思います。