首席って何?

「主席」じゃないですよ。←これはジョンイル。

オーケストラ等で首席といえば、1st奏者のことですから、各パートに一人のみです。
2stのほうが即興演奏が上手いとか、3rdや4thの楽譜のほうが実は難しいなんて話もありますが、
通常は、パートで一番実力のある人(あるいは高い音が出せる人)が担当するようです。

じゃ、「首席卒業」は学年一位で卒業したってこと?

その肩書き持った人、随分沢山いませんか?
日本人ジャズ・ミュージシャンなんて、ほぼ全員「バークリー音楽院首席卒業」みたいですよ??

それってもしかして、英語で言う「With Honors」のことですか?

だったらDoodlin'も、アメリカの短大の音楽科二専攻、double degreeでともに首席卒業です。
成績証明書を見たら「Degree granted with highest honors」とはっきり書いてあります。

「最高首席」ですか!? 
いーえ、ただオールAで卒業したという意味です。

理論や歴史等の地味な科目も全部コツコツ勉強し、実技も真面目に全出席したからAが揃っただけ。
実力(腕)と関係ないことは本人が一番承知しています(涙)。

ピアノなんて先生と仲良しだったので恩赦で通してもらったし(汗)。

ひとつはジャズ研究専攻だったのでわりとアカデミックな内容でしたが、
もうひとつはCommercial Music、つまり軽音楽専攻。

ここはサウンド・エンジニアリングや音楽マネジメントみたいな手堅い勉強をすることもできますが、
中にはひたすらバンド活動だけをして卒業している人達もいました。
(パンクやラップで首席卒業しても、ねぇ・・・)

私はMIDIや録音のことをちょこっと勉強して、あとはひたすら歌って卒業しました。
(技術系の知識は、時代が変わると使い物になりませーん!)

「音大の大学院って何する所?」
と主人(←自然科学系Ph.D)がいかにも小バカにした言い方で聞くので調べてみたところ、
修士課程入試は20分間のオーディション、博士課程入試は45分間のオーディション、
みたいな感じでした。

要するに、ひたすら練習し続けているというわけですね。

いちおう博士課程は「研究計画書を提出のこと」とありましたが、800字なんて小学生の作文。

で、学位をとったからといって役がつくわけでなし、
短大卒や学部卒の演奏家よりも院や研究科を出た演奏家のほうが上手いと思ったこともありません。

ああここにも「体の良い時間稼ぎ(モ・ラ・ト・リ・ア・ム)」の匂いが・・・。
それとも、演奏活動で芽が出なかったら教授でも目指そうというセーフティネットでしょうか?

子育てが終わったけれど再就職もない主婦が東大の大学院に集まってきている、という話も聞きました。
院試は学力ではないので、偏差値の低い人でも東大や京大の院にスイッと入れてしまうことがあります。

で、「最終学歴は東大」って、ちょっとズルくないですか?

私の行ったアメリカのデザイン系の大学も、学部はオールAの高校生しか入れない超難関ですが、
大学院のほうはポートフォリオ(作品集)の審査さえ通れば入れるのでした~!(←アンタもズルイ)

なので、学部生のほうがはるかに秀才揃いでしたし(ちょっと話しただけで頭脳の違いが歴然!)、
同じ大学の他学部の本当に「優秀」な方々と同列に見られることを申し訳なく思っていました。

奨学金を得てバークリー音楽院に留学」も、それほど畏れるにはあたらないかもしれません。

なぜならあそこは10万円くらいから授業料・生活費全額相当まで様々なレベルの奨学金を出しており、
どれだかわかったものではないからです。

ただ、人材の多数揃った場所で毎晩セッション三昧をして過ごすことは大変良い修業になるので、
上原ひろみさんのようなとんでもない逸材が出たりもするわけですが。

(学生の大半が日本人留学生、という噂もありますが・・・)

むやみに高学歴者を尊敬しないこと、という裏話でした。